日本全国存在するゆるキャラ。夢のない話だが、それぞれの“着ぐるみ”には“中の人”がいることになる。そこで、“禁断の着ぐるみの中”を探るべく着ぐるみ製作とイベントを手がけて40年の老舗企業・リップを直撃。入社以来25年間着ぐるみ製作に情熱を注ぐ製作部長の伊藤歩さんと、製作に携わりつつキャラクターインストラクターでもあり、さらに「中の人」でもある上田欣彦さんの同期コンビが、知られざる舞台裏を明かしてくれた。
伊藤:昔は俳優の卵が舞台経験を積むために入るケースがありましたが、ゆるキャラブームで本当にキャラクターが好きな子たちが集まってくるようになった。比較的女性が多くて、OLさんが副業で入っていることもありますよ。
上田:背が高くてがっしりした体形の女性が、男性のピンチヒッターとして男性キャラに入ることも。同業者でも、中の人が女性か男性かはわかりません(笑い)。
伊藤:弊社では毎年200体ほどの着ぐるみを作っていて、『さんまのまんま』(関西テレビ・フジテレビ系)の「まんまちゃん」も作っているんです。中に入っているのは62才の男性社員。1985年の放送開始以来、同じ人間が入っています。たまにさんまさんがうっかり本名で呼びかけてしまう親しさもベテランならでは、です(笑い)。
上田:報酬は一概にはいえないでしょうが、ウチの場合は30分ほどのステージを2ステージこなして1日2万3000円です。他のスタッフと一緒にチームとして現場に入っているので、舞台の設営や撤収も手伝います。
※女性セブン2018年4月12日号