米ニューヨークで3月28日(現地時間)に開幕した国際自動車ショー。そこでトヨタ自動車は「カローラハッチバック」(米国仕様)を初公開した。日本でも今夏より発売予定だが、カローラといえば長年トヨタの代名詞となってきたブランドだけに、今後の販売動向が注目される。新型カローラに込めたトヨタの想いとは? モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏がレポートする。
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先ごろ開幕したニューヨーク国際自動車ショーで、トヨタは新型「カローラハッチバック」を発表しました。注目なのは、アメリカとほとんど同時、日本でも初夏から発売するというところ。この新型車は、国内でもきっと大きな話題となることでしょう。
なんといっても「カローラ」は、トヨタだけでなく日本のクルマ社会を育て上げた第一の功労者(車)です。
1966年の初代から1990年代にかけて売れまくり、1969年から2001年まで国内の年間車名別販売台数(軽自動車を除く)で33年連続トップという大記録を打ち立てました。クルマが一般大衆に普及するのに「カローラ」は大きく貢献しました。「初めてクルマのオーナーになる」という人たちの愛車に「カローラ」を選んだ人が本当に多かったのです。
ところが2000年代に入ると様子が変わってきました。景気後退の影響もあってか、ライバルは「フィット」や「ヴィッツ」といった、より小さなクルマになってゆきます。また身内の「プリウス」というハイブリッドも強敵に成長します。
気づけば、「カローラ」のオーナーの平均年齢は60歳を超えることに。それに合わせて、日本国内向けの「カローラ」は、海外向けモデルとは別の、より小さくおとなしい雰囲気で作られるようになりました。でも、その結果、若者受けはもうひとつというクルマになっていたのです。
一方、海外市場では今も「カローラ」は、大衆車として大人気です。世界累計販売は4500万台を突破。今でもコンスタントに年間120万台以上が販売されています。
アセアンなど、モータリゼーション真っただ中の地域では、「手が届く最初のクルマ」に「カローラ」の名前が真っ先に挙がる状況です。そのため、世界での「カローラ」のオーナーは若い人がたくさんいます。実際に、ニューヨーク国際自動車ショーで発表された新型「カローラハッチバック」のルックスは、相当に若々しく格好良いものです。