現代韓国では、日韓併合時代に日本政府と協力して功績を残した政治家、官僚、文化人らに「親日派」のレッテルを貼り、「民族の裏切り者」と糾弾することが法律で定められている。最近、この親日派狩りが激しさを増しているという。在韓国ジャーナリスト・藤原修平氏がレポートする。
* * *
最近では、親日派の子孫への無差別攻撃まで起きている。
昨年3月には韓流スターのカン・ドンウォンが渦中の人となった。カンの曾祖父が親日派だったことが報じられて物議を醸し、「慰安婦制度設立に資金を援助した」といった複数の“デマ”まで流された。
女優のイ・ジアは、2011年に祖父が親日派であったことが明らかになり、最近でもネット上で「親日派の家系だなんて、ありえない」「親日派の孫娘なんて、嫌だよね」といった容赦ない攻撃を受けている。
それだけではない。韓国には、日本に理解を示し擁護するような人物に対して、“親日派”とレッテルを貼って断罪することが半ば習慣化している。『帝国の慰安婦』の著者・朴裕河教授もその被害者の一人だ。「慰安婦は日本軍と同志的関係であった」などと書いて訴追され、一審では無罪を勝ち取ったが、昨年10月、二審で逆転有罪判決を受けた。一審の判決直後、ラジオ番組に出演した元慰安婦の李容洙は、朴教授のことをはっきりと「親日派」と宣告している。