4月1日のNHK大河ドラマ『西郷どん』が“本来”なら本編13話が放送されるところ、『西郷どんスペシャル』と題された特別編に差し替わることになり、直後から視聴者の間で“何があったの?”と訝る声が広がっている。特別編は、西郷隆盛役の鈴木亮平(35)と薩摩藩主・島津斉彬役の渡辺謙(58)の対談や撮影裏に密着するといった内容のもの。
過去、東日本大震災や国政選挙に伴う特番で放送そのものがなかった例こそあれ、本編を休止して特別編を放送したのは大河57作の歴史で初のことだ。
理由の一つとされているのが、「働き方改革」だ。昨年11月29日に開かれた会見で、板野裕爾NHKエンタープライズ社長が直前に公になったNHK記者の過労死に触れ、労働環境改善に取り組むことを発表した。その一環として、『西郷どん』の50話のうち3話分を特別番組に置き換える方針を検討していることを明らかにしていた。
史上初の特別編放送の一因となった、制作現場のスケジュールをNHK関係者が明かす。
「例年、撮影期間は放送前年の9月から翌年10月までと、長丁場になるため、労働時間は厳格に管理され、週2日の休日もある。
さらに、『撮影の終わりと翌日の撮影入りは最低8時間空ける』という独自の規則も存在します。民放は撮影が押しても翌日の撮影開始時刻は変わりません(NHK広報局は「詳細については回答を差し控える」とした)」
民放よりは恵まれているという証言だが、局をあげての労働環境改善のなかで、さらに新たな試みをしたということのようだ。