投資情報会社・フィスコ(担当・田代明美氏)が、株式市場の3月26日~3月30日の動きを振り返りつつ、4月2日~4月6日の相場見通しを解説する。
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先週初26日の米国市場は、貿易戦争の回避に向けて米中高官の交渉が開始され、貿易摩擦への警戒感が緩和されたことを好感して始まった。中国側が米国製半導体の購入拡大を検討していると報じられたことも支援材料として働き、NYダウは4営業日ぶりの急反発となった。しかし、翌27日には、米アリゾナ州が配車サービスのウーバーに対し、州内での自動運転車運用の無期限停止を命令し、エヌビディアを始め半導体関連株が急落したことを受けてNYダウも反落を見ている。
このほか、自動運転車死亡事故の余波が続くテスラ、フェイスブックの個人情報流出問題に絡んだSNS関連への規制懸念、トランプ大統領によるアマゾン攻撃により、IT、半導体、ハイテク株への売り圧力の強まりが懸念されて、全般相場の上値を抑える形となった。聖金曜日(グッドフライデー)による3連休を控えた29日は突っ込み警戒感からハイテク株中心に買い戻されてNYダウは大幅反発となった。
先週の日経平均は週初を安値として21000円台半ばに反発した。懸念は完全に払拭されていないものの、貿易戦争リスクの後退と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の中国電撃訪問を受けて買い戻しが先行した。森友問題に絡む国会証人喚問も相場への影響は限定的だった。
28日の東京株式市場は3月期末の権利落ち日となり、日経平均で約160円の配当落ち分を埋めきれずに3日ぶりに前日比286円安と反落したものの、為替が1ドル=106円台の円安傾向に戻したことも支援し、その後は週末にかけて続伸となった。30日は週末、月末、年度末の需給要因から持ち高整理の売りに伸び悩む場面もあったが、買い戻しが優勢となった後場の日経平均は前日比350円超の値上がりを見る場面もあった。また、終値で200日移動平均線(29日の21322.29円)を3営業日ぶりに上回って大引ける一方、21500円前半を通る25日移動平均線に上値を抑えられる形となった。