〈原発即時ゼロの道に踏み出すとき〉〈安倍改憲の特質と憲法運動の課題〉──“生真面目”な見出しが並ぶ日本共産党の機関誌『前衛』(3月号)に、異彩を放つ記事が掲載された。
〈風営法を使ったスナックつぶし──業者と地域への攻撃〉と題したレポートだ。
街のスナックに、「風営法違反だ」と警察官がなだれ込み、ママさんが逮捕される──そうした警察の立ち入りが、2015年に入ってから目立ちはじめていると、記事は警鐘を鳴らす。
〈毎日お客さんのわがままにも笑顔で応えながら懸命に生きているママやマスターを、警察の恣意的判断で、ある日突然犯罪者として手錠をかけ、高額の罰金を科し廃業に追い込む、こんな理不尽なことはありません〉
寄稿したのは、帯広民主商工会会長で、帯広市でスナックを33年間経営している志子田英明氏(65)だ。日本共産党員で、地区の役員もやっているという志子田氏が、改めてこう話す。
「スナックを営業する場合は、保健所の食品衛生許可を受けた上で、深夜酒類提供飲食店営業(警察への届け出)か、風俗営業(警察の許可)のどちらかを取る。うちの場合は、深夜酒類営業を選んだので、深夜でもお酒の提供はできますが、“接待”はできないことになっている。ところが警察が接待の基準をどんどん厳しくしていて、客と談笑、お酌する、カラオケで拍手をするというものまで摘発しているのです」