五輪4連覇を果たした女子レスリング・伊調馨に対する栄和人日本レスリング協会強化本部長によるパワハラ疑惑だが、真相はまだ明らかになっていない。騒動の渦中、伊調がかつて所属し、栄氏がレスリング部監督を務める至学館大学の谷岡郁子学長が突然、インパクトの強い会見を行い、多くの人のド肝を抜いた。
今回の問題は、伊調に練習場所を使わせないようにした、というものだったが谷岡氏は「私が使わせると言えば、伊調馨さんはいつでも使うことができます。栄和人はその程度のパワーしかない人間なんです」と述べ、パワハラの存在を否定。さらには「そもそも伊調馨さんは選手なんですか?」や「栄監督のハゲを増すことはできません」などと述べ、2018年前半におけるインパクト大の会見となった。
この会見後、ネット上では至学館のイメージに影響するのでは? と心配するような声も多数書き込まれた。そして、大学のイメージがモロに自分自身に跳ね返ると心配されるのが学生の就職活動である。今回の谷岡氏の会見は現在就活中の至学館大学の学生にどんな影響を与えるのか。千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏の見立てはこうだ。
「世間での『大学』のイメージには影響するかもしれませんが、採用には影響しないでしょう。せいぜい『あぁ、あの大学ね』ぐらいの話ですよ。その学生は悪くないわけですから。人事も色眼鏡でみる案件ではないでしょう。むしろ、『いま、うちの大学が世間を騒がせておりまして……』とつかみにはなるかと。
有名大学でも不祥事報道はあります。天下の早稲田だって、2014年にはSTAP細胞の小保方晴子さんとか、古くはスーパーフリー事件などもありました。あとは東大だって女性への暴行事件がありました。本人が直接関わっていれば話はかわりますが、就活には関係ありません。『学長があまりにもユニーク過ぎる』ぐらいなら人事は気にしないのではないでしょうか。あくまで、その学生の評価で決めます。ひとつひとつのスキャンダルよりも、いまその大学の教育内容などがどのような状況に置かれているのかは気になります」(常見氏、以下「」内同)