一方で、大吉は自身のトーク力を発揮。大吉のトークの実力はテレビよりもむしろ、TBSラジオ『たまむすび』で光っていたのだが、それがいよいよ出てきたなという印象だった。ただでさえ華丸・大吉とテンポが違う近江アナは、初日からいきなり「夫の転職」というコメントがはさみにくいテーマで大変そうだった。そんな近江アナをリードしつつ、「一日一回明太子を食べないと過呼吸に…」なんてことを言ってる華丸のちょっとした動きにも目を光らせる大吉は、しっかりとメイン司会者の顔になっていた。
あたふたする近江アナ、よいしょっと番組を進行する大吉、いつもどうしたらいいのかわからなそうで面白い華丸。有働・井ノ原が作ってきた『あさイチ』とはまったく違う空気の番組だが、「これはこれでいいのだ」と思える。多くのバラエティー、トーク番組に出演してきた華丸・大吉は自分の立ち位置がわかると強い。どこまでも自分の役割を全うする力がある。
気になるところがあるとすれば、これまで『あさイチ』が斬り込んできた「DV」「原発」などシリアスな問題や「閉経」など女性の体についてのテーマの掘り下げをどうしていくのか。更年期とも遠い近江アナには体験談を聞きにくいし、大吉が専門家に質問をぶつけるというのも…そんな難しいテーマのときこそ、おもしろマスコット華丸は重要だ。料理の先生がコンロのスイッチを入れただけで「いよいよ点火でございます」と普通の料理番組ではありえない説明をする今日のノリで、番組に緩急をつけてほしいと思う。