2016年に新彊ウイグル自治区の治安維持にかかった費用は前年比50%増の68億ドル(約7100億円)だったことが分かった。2014年のウルムチ暴動以降、新橿ウイグル自治区の武装警察増強に伴い、防犯カメラ、放水車、ガス弾、軽火器など防備を強化、検問所増設などに費用が投下されているという。AP通信社が報じた。
米国の有力シンクタンク「ジェイムズタウン財団」の『チャイナ・ブリーフ』(2018年3月12日号)に寄稿したアドリアン・ゼンズ氏(独の社会技術学校研究員)の計算によると、省別の治安対策費を2016年と2017年で比較した一覧で、増加比率トップは新橿ウイグル自治区が92.8%、ついで北京32.7%の増加、青海省26.9%、雲南省17.1%増となっていることが分かった。
これらの省はいずれもウイグル独立運動過激派とみられるテロが起きた地域である。1年間の増加率は前年比93%増で、過去10年間で国内治安費用は10倍以上に膨れ上がっている。
さらに、トルコ・イスタンブール在住の亡命ウイグル人組織によって運営されているインターネットテレビ『イステクラルTV』は、弾圧されて収容所に収監されているウイグル人やカザフ人ら少数民族の住民数が極めて多数にのぼることを明らかにしている。
これらのデータによれば、新疆ウイグル自治区のウイグル人密集地域で、ウイグル人口の2~4割が中国共産党の「再教育」キャンプに強制収容されているというのだ。
同自治区では留学帰りの若者が「蒸発」していることが判明している。とりわけエジプト留学帰り、米国からの帰還者が理由もなく勾留され、当局に訪ねてもなしのつぶて、「再学習センター」などの収容所に拘束されていると推測されている。その数は数千人に及んでいる。