「反日」という大義名分があれば、韓国の報道は、たとえその写真が実際にはまったく別の場所の、別の人たちを映したものであっても、被害を受けたという同じ文脈なので問題がないという態度をとり続けるようだ。
教育系の公共放送EBSが、2014年12月に放送した歴史ミニ番組で戦時下の朝鮮人強制労働を取り上げた。軍艦島(端島炭鉱)の坑道イラストに重ねて「酷使される朝鮮人」の姿として使われた3点の写真は、韓国釜山の「国立日帝強制動員歴史館」にも展示され、韓国メディアなどで「強制労働の象徴」として繰り返し使われてきた有名なもの。
ところが、日本の専門家らの調査により、これらは軍艦島とは場所も時代も異なる無関係の写真だったことが判明。画面の2点は明治時代に別の炭鉱を写したものだった。
昨年2月、これらを軍艦島の写真として放映した韓国MBCテレビは、産経新聞の指摘により誤りを認めたが、「たとえ場所は違っても朝鮮人たちが強制動員され被害を受けたという脈絡でみれば、歴史の一断面をみせてくれる貴重な資料」と同紙に回答したという(2017年4月12日付産経新聞)。
左派系の日刊紙は、政治風刺マンガで呆れるような虚報を紙面に載せている。
日刊紙ハンギョレ新聞に掲載された政治マンガ(2014年6月17日付)。左には「最後の朝鮮総督」阿部信行・陸軍大将、右には朴槿恵政権(当時)で首相候補となるも「親日発言」を理由に辞退に追い込まれた文昌克氏。韓国には阿部信行が朝鮮を去る際、ここに書かれた “呪い”を残したという都市伝説がある。
マンガは、文氏(親日派)に「ただいま」と言わせて「呪いの実現」と風刺。阿部信行を「アベ総理の祖父」と書いているが、これは事実と異なる。掲載翌日、同紙はネット版を修正し、〈(アベ総理の祖父)〉という部分を削除した。
※SAPIO2018年3・4月号