投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が4月9日~4月13日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は上げ渋りか。米国のインフレ関連指標が景気拡大やインフレ進行の可能性を示した場合、利上げペース加速への期待でドル買いに振れやすい見通し。ただ、トランプ政権の保護主義的な通商政策への懸念は残されており、金利上昇を意識したリスク選好的なドル買いは限定的となりそうだ。
注目材料は、10日発表の米3月生産者物価コア指数(PPI)や11日発表の米3月消費者物価コア指数(CPI)など米インフレ関連の経済指標か。特に、3月のコアCPIは2月実績を上回る可能性が高いと予想されており、市場予想を上回った場合は利上げペース加速の観測が広がりそうだ。
ただ、引き続きトランプ米政権の通商政策への懸念は残る。トランプ政権は、中国や日本をターゲットに鉄鋼・アルミ製品の輸入制限に踏み切り、中国が報復関税を決めたことで米中貿易摩擦が貿易戦争に発展することが懸念されている。米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は制裁の発動については慎重だが、なお動向が注目される。
【米・3月消費者物価指数(CPI)】(11日発表予定)
11日発表の3月消費者物価コア指数(コアCPI)は、2月の前年比+1.8%から同比+2.1%に上昇する見込み。ただ、利上げ加速期待は高まっていないことから、コアインフレ率が市場予想を下回った場合、ドル売り要因になるとみられる。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(11日公表予定)
3月20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では年3回の利上げの道筋が示され、一部の参加者を失望させた。ただ、議事要旨から利上げペース加速への可能性が読み取れた場合、長期金利は上昇し、ドル買い材料になる。
・4月9日-13日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。