巨人に光が差してきた。待ちに待った若い力が台頭してきたのだ。岡本和真(21)が “覚醒”し、開幕からわずか4戦で両リーグ最速となる10打点に到達。その時点では打率4割超の大爆発だ。岡本を筆頭に、2番セカンドの吉川尚輝(23)、立岡宗一郎(27)、中井大介(28)など、生え抜きの若手が台頭している。一方でそれは、高年俸のベテラン勢の“リストラ”にもつながってくる。
その先駆けは、昨秋に巨人から戦力外通告を受けた村田修一(37)だった。巨人担当記者が語る。
「村田を放出したからこそ、岡本の出場機会が確保されるようになった。岡本自身は、自主トレに誘ってもらうなど村田から目を掛けてもらい兄貴分として慕っていたので、村田の放出で胸に期すものがあったようです。村田がつけていた背番号25を受け継ぎ、開幕前から“今年は二軍落ちするわけにはいかない”と気合いが入っていた。
その結果の大活躍ですが、皮肉なことに、それによってさらなる“ベテラン斬り”が加速しそうです」
真っ先に対象になりそうなのが、岡本に一塁の定位置を奪われた阿部慎之助(39)だ。今季は年俸2億円超(推定、以下同)の代打の切り札という位置に甘んじている。
「去年は4番を打っていた主力がいきなり、ずっとベンチにいるのだから、当然、周囲も戸惑います。とくに今は、二軍調整中のベテランが多いためにベンチは若手が中心。6回あたりで代打の準備を始めるまでの間、どうしても阿部が浮いてしまっている。巨人ではこれまでも清原(和博)をはじめ、過去の実績があって年俸の高いベテラン選手に出場機会がなく、ベンチを温めるケースがありましたが、そうした系譜に阿部も重なって見えてくる」(同前)