安倍晋三首相は4月17日から訪米し、フロリダにあるドナルド・トランプ米大統領の別荘「マールアラーゴ」に2日間滞在して首脳会談を行なう。3回目となるゴルフ会談も検討されている。
世界経済の先行き不安から株価が乱高下する中、各国は米国の制裁発動後、最初にトランプ氏と会談する安倍首相の言動を注目しているが、首相の頭の中は北朝鮮でいっぱいで、世界が期待する貿易問題の解決など見えていない。
より正確に言えば、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が中国の習氏を皮切りに、韓国の文在寅・大統領、米国のトランプ氏と相次いで首脳会談を行ない、自分だけが蚊帳の外に置かれて対北朝鮮問題が“安倍抜き”で話し合われることに焦りまくっているのだ。
日米首脳会談への意気込みを語った政府与党連絡会議(4月2日)でも、首相の口から「関税問題」の言葉はなかった。
「2日間にわたりじっくり日米首脳会談を行ないたい。最重要課題である拉致問題についても、トランプ大統領に、来る米朝首脳会談において取り上げるよう直接要請します」
安倍首相の前のめりの訪米姿勢に最も危惧を抱いているのは外務省だ。
「いまや政権内部は北朝鮮への方針をめぐって2つに割れ、総理と官邸は融和派、河野太郎外相の方が強硬派になっている」
そう指摘するのは外務省中枢筋だ。