放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、女子アナの衣装のトレンドを解説。
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4月も2週目に入り、出演者が替わった朝ワイドやニュース番組などの現場も落ち着いてきたし、視聴者の皆さんの目も徐々に慣れてきていることだろう。
在京局で、出演者の入れ替わりがもっとも激しかったのはフジテレビだろうか。週末のニュースも含め、同様だ。
アナウンサーやキャスターだけではない。気をつけて見てみると気象予報士やコメンテーターの異動や入れ替えもあったりして…、新コーナーの仕切りや演者の役割などが本調子になるまで、あと1~2か月は必要かもしれない。
さて、視聴者の皆さんの目が慣れるまで、スタッフが気をつけることの一つに、女子アナの衣装がある。
朝ワイドではファッション誌のスタイリストの監修を仰いでいる番組もあるし、女子アナやキャスターを専門にやっているスタイリスト会社などと契約し、トレンドを押さえつつ、好感度の高いコーディネートを日々心掛けていると聞く。
女性ニュースキャスターのはしりだったTBSの吉川美代子アナには衣装が自前だった時代があった。男性アナウンサーや男性キャスターもみな当時は自前のスーツで出ていて、色は紺かグレー。彼らはたとえ毎日同じスーツだったとしても、さほど問題はなかっただろう。
だが女性の場合は別だ。隣に座る男性と同じ色味のスーツを着ていては「地味だ」と言われ、ちょっとでも明るい色のスーツにすると今度は「派手だ」とクレームがきてしまう。
ブラウス一枚にしても、毎日白というワケにもいかず、吉川さんは同僚女性や後輩キャスターに、クリーニングに出す寸前のブラウスやスカートを借りて、「クリーニングをして返す」というシステムを考案。衣装をまわしていたと聞く。
その後、平日のニュース番組に女子アナの出番が増えていくにつれ、番組全体にスタイリストが付き、出演アナウンサー全員の衣装の面倒を見てくれるようになったのである。
MC席に座る女子アナには、週末に翌週一週間の衣装をスタイリストが提示。相談しながらコーディネートを決める光景が局内のタレントクロークやメイク室でよく見られるものだ。とはいえ、事件や訃報など、急なニュースにあわせた地味な衣装は常にロッカーに入っている。
10年程前まで、女子アナの多くはジャケットを着ていたものだが、そこからはどんどん薄着になっていき、いまは真冬でも上はブラウス一枚というスタイルだ。
これも“時代”といえるのだが、当初はシャツカラーのカッチリしたものをスカートやパンツにインする着方がメインだった。
だがいまは、ノーカラーのチュニック風のものをオーバーブラウスにしたり、ボウやリボンなどがアクセントになったりしているタイプが選ばれることも多い。
なかでも、一昨年の秋冬あたりからトレンドになっているのはフレアスリーブやボリュームスリーブなど、袖にデザインやアクセントがあるブラウスだ。