開幕からわずか4戦で両リーグ最速の10打点を記録した岡本和真(21)をはじめ、今シーズンの巨人は若手が台頭してきている。その新しい風によって、高年俸のベテランたちへの風当たりが、大きく変わってきている。2016年オフ、総額30億円と騒がれた大補強の際に獲得した陽岱鋼(31)、森福允彦(31)、山口俊(30)のFA組3人も、年俸に見合った活躍を残しているとは言いがたい。
陽は骨折で早々に離脱し、森福は昨年8月を最後に一軍登板はない。山口俊は3日の今季初登板を6回3失点で初勝利を収めたものの、昨年7月に起こした暴力トラブルの影響でフロントも全幅の信頼を置くわけにいかない状況。
「3人の獲得に動いた堤辰佳前GMは2017年シーズン途中に更迭されており、直接の責任者はもういない。陽は5年契約、森福と山口俊は3年契約で獲得したので、今オフに放出は難しいが、徐々に若手を重用して、何年か先の常勝軍団を生み出すつもりでしょう。
その芽を摘みかねない存在は一気にリストラされてもおかしくない。投手では内海哲也(35、年俸1億円、推定、以下同)、山口鉄也(34、2億2400万円)以外にも峠を越えた西村健太朗(32、8600万円)、ケガから復活できない杉内俊哉(37、2500万円)らがその候補。野手では阿部慎之助(39、2億6000万円)だけでなく亀井義行(35、5200万円)も代打要員になっているし、マイコラスの穴埋めとして今年獲得したばかりの外国人・ヤングマン(29、8630万円)も4人の外国人枠に入ってくるのは厳しい。それだけで8億円近い額が“整理”できる。今季の成績次第ではあるが、ミソをつけた山口(俊、2億3000万円)もオフに放出となれば、10億円規模の大リストラです」(前出・球団関係者)
それは、FAや外国人獲得に頼って、若手が育ってこなかったチームの再生には必要な“痛み”なのかもしれない。一部の若手が覚醒しつつある今季が、それを断行するチャンスであるのは間違いなさそうだ。