大河ドラマや映画、小説の題材となる武将や将軍、維新志士たちがみな「聖人君子」だったかというと、さにあらず。人間臭く、あるいはだらしない面もあった。著書『ざんねんな日本史』(小学館新書)が話題の歴史作家・島崎晋氏が、偉人たちの“本当の姿”を明かす。
◆吉宗は下半身も暴れん坊
テレビドラマ『暴れん坊将軍』では、女性から言い寄られてもなびかないクールな男として描かれていた徳川吉宗だが、実際はそうではなかった。
紀州徳川家から八代将軍として江戸城に入るまで、吉宗は多くの女性と関係をもち、妊娠した女性には吉宗の御落胤(ごらくいん)と分かる証拠の品を渡していたという。
1729年、吉宗の隠し子であるかのような名前を名乗る男が現われた。この人物について、吉宗が「心当たりがある」と述べたため、大騒ぎになる。しかし、江戸町奉行の大岡越前守の調べで証拠が偽物と判明し、男は処刑された。
吉宗は心当たりが多すぎて、真偽の判断ができなかったようだ。