米カリフォルニア州アナハイムといえば、ポカポカと温暖な気候と世界で最初のディズニーランドで知られている。そこを本拠地とする「ロサンゼルス・エンゼルス」でメジャーリーグデビューした大谷翔平(23才)の快進撃には、本場のミッキーマウスも目を丸くしているに違いない。
4月2日(日本時間)にデビューしてから、投げては2試合連続勝利、打っては3試合連続ホームランをかっ飛ばした。先発勝利の2日後に本塁打を打つのは、「野球の神様」ベーブ・ルースの記録以来、97年ぶりの快挙だという。
そんな大谷に、全米がキュンとした瞬間がある。メジャー初本塁打を放ってベンチに戻ってきたときのこと。日本のプロ野球ならばチームメートから歓迎されるところだが、メジャー流は一味違った。新人選手が初本塁打を打った時に行われるメジャー特有の「サイレント・トリートメント」という“無視の儀式”が行われたのだが、大谷はそれに気づかない。
慎ましい性格の彼らしく、遠慮がちに両手でガッツポーズをしてみても、ベンチのみんながガン無視。「あれれ?」という困った表情を浮かべる大谷が、なんともかわいくてたまらない。その後、戸惑いながらも自分から同僚選手の背中に飛びついた大谷の愛くるしい姿に全米がコロリ。ネットには「歴代で最もキュートなリアクションだ」「みんなに愛される存在」といった“萌えキュン”の賛辞があふれた。
大谷は1994年、岩手県生まれ。社会人野球で活躍した父と、バドミントンで国体出場した母のもとに生まれた3人きょうだいの末っ子だ。
花巻東高時代は春夏通じて2回の甲子園に出場。県大会ではアマチュア野球史上初の時速160kmを記録し、高卒後は北海道日本ハムファイターズに入団した。ピッチャーとバッターをともにこなす「二刀流」選手として最多勝利、最優秀選手など数々のタイトルを獲得し、今シーズンついに念願のメジャーデビューを果たした。
「大谷はあと2年待てば200億円といわれる大型契約を結べました。その代わりに絶対の活躍が求められることになり、“投手一刀流”は避けられません。そこで、大谷は年俸6000万円というマイナー契約を選びました。その金額なら球団も“二刀流”で失敗しても損しないですから。つまり大谷は二刀流の夢を叶えるために200億円を捨てたんです」(野球評論家)