「省庁再編には大変な労力がかかる。憲法改正を優先する総理はもともと興味がなかった。ところが、党内の改憲論議が思うように進まず、政策的に追い詰められて手を出してしまった。財務省解体など再編に最も意欲的なのは菅義偉・官房長官、そして河野太郎・外相や厚労省分割案をまとめている小泉進次郎氏など首相と距離を置く顔ぶれで、野党にも行革賛成派が多い。
そうした“抵抗勢力”を懐柔する手段にはなり得るが、それは諸刃の剣でもある。菅さんも再編は次の政権の仕事だと考えているから、論議を始めれば与野党の反安倍勢力が手を組んで首相に過激な改革を要求し、官邸と霞が関の対立を煽ってくる。安倍政権は焼き尽くされてしまう」
公文書スキャンダルという燃料が次々とくべられる中、政権は火だるまになりつつある。
※週刊ポスト2018年4月27日号