開幕から10日あまりで評価を定着させた感のあるロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。本拠地・エンゼルススタジアムでの人気ぶりもチーム屈指だ。ただ、期待が膨らむなかで、「二刀流への懐疑の声」も存在する。
二刀流を優先するあまり、マイク・ソーシア監督の起用法が慎重になり、かえってチャンスを逃している面があるという指摘だ。大谷の衝撃的な活躍ぶりを見てなお、二刀流に批判的なスタンスを崩さないのは辛口評論で知られる江本孟紀氏である。
「大谷の素質を否定しているわけではありません。むしろ、打者としても投手としても超一流だと思います。しかし、その両方をやるのはどうかな、と言っているんです。このまま二刀流を続けたら、10勝、20本塁打はできるでしょう。ただ、DHに専念すれば40~50本は打てる。投手に絞れば18勝は堅い。二刀流では記録としては残らないが、どちらかに専念すれば大記録を抜く素質を持っている。そこがもったいない」
今後はメジャーの洗礼も待ち受ける。大谷はオフに全30球団を視野に入れて移籍交渉を行ない、二刀流の実現を優先した結果、本命視されたヤンキースが真っ先に交渉相手から外れた。
「ルーキーにフラれた経験などほとんどないヤンキースや、移籍交渉で最終候補まで残ってダメだったジャイアンツやマリナーズとのアウェー戦では、大ブーイングを受ける可能性もあります」(MLB研究家・福島良一氏)