グラビア写真界の第一人者、渡辺達生氏(69)が“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”とのコンセプトで立ち上げた『寿影』プロジェクト。渡辺氏は、自然な笑顔を引き出すべく、撮影する人に「一品」を持ってきてもらって、それにまつわるエピソードを聞きながら撮影する。
「私が社長です」というキャッチフレーズと、カラフルで個性的な帽子をかぶった笑顔で知られるアパホテル社長の元谷芙美子氏が持ってきたのは、社長就任挨拶で被った帽子だ。
「“ホテル業界のジャンヌ・ダルクになる!”と、大風呂敷を広げた社長就任挨拶で被った帽子がこれ。被りながら頭を下げすぎて、飾りが4本も折れています」
帽子は女性社長としての威厳や知性を華やかに演出する手段。1年分30個をまとめ買いするなど、数えきれないほど所有する。
仮死状態で誕生し、1歳の時に起きた福井大地震では倒れてきた仏壇が防御壁となり命拾い。九死に一生を二度も得た少女は、自分にはすごい人生が待っているとプラス思考で生きてきた。
ホテル経営は見事な成長を遂げたが、成功までは道半ばと謙遜する。終活どころか、引退もまだまだ先のようだ。