都市伝説のようにネットの世界で流されているが、真偽が定かでない情報がある。そのうちのひとつに、「デモに参加すると○万円もらえる」がある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、デモ日当問題について考察した。
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警察発表で4000人が参加したという4月14日に行われた国会前デモだが、デモ嫌いの人々からは、「日当が出ている」と揶揄するネットの書き込みが多数見られた。まぁ、よくも根拠もないことを書き連ねられるものだ。募集要項から採用決定通知、領収書、通帳の振込み画面、日当配布所の受け渡しの様子写真などの証拠を併記しての揶揄ならばまだしも、憶測だけで書くのは愚の骨頂である。
そもそも、デモ参加者が日当をもらっていたとしても、それはバッシングの良い材料になるのだろうか? そこがよく分からないのである。デモ参加者数は警察発表とはかけ離れた大幅水増しの「主催者発表」が出るのが常だが、「日当」に言及することで「こいつらは本気ではない」「カネを払わなくてはならないほど支持されていない」という批判をしたつもりになっているのだろう。
だが、証拠を提示していないだけに、自発的に参加した大勢の人々から逆襲をくらって終わりだ。デモには組合等の組織が関与している場合もあるから、動員をかけられて交通費をもらう場合もあるだろうし、何らかの金銭的支援はあるかもしれない。それをもってしても「国会デモ参加者には日当が出ている」は針小棒大が過ぎる。
デモや抗議活動への「日当」については、2013年の反差別デモで、とある参加者の男性が「最終地点まで行ったら3万円らしい」「日当がまだ振り込まれていない」などとツイッターに書いていた件が一つの発端だ。同デモ参加者に聞いたが、日当は出ていないとのことなので、当時デモに熱心だった差別主義者を「お前らと違ってオレらは資金潤沢だぞ、バーカバーカ」と揶揄する意図があったのかもしれない。
あとは、沖縄・辺野古の基地工事反対派団体が現地の様子をレポートする人員に5万円を提示したことも左派活動の「日当」の根拠となった。沖縄への往復交通費、宿泊費用、レンタカー代を考えると5万円は「日当」と呼べるものではないのだが……。