2019年4月30日、今上天皇が生前退位し、翌5月1日に皇太子が新天皇に即位する。改元年である2019年、最初に迎える「代替わり行事」が新元号の公表である。2019年1月7日に即位30年を迎える天皇の「在位30年記念式典」を2月24日に開催することに決めた政府は現在、新元号公表を式典終了以降にすることで最終調整に入った。
政府が当初考えていた公表時期は、元号を使用する官民のシステム改修に伴う期間やカレンダー業界に配慮した「2018年夏」だった。
ところが、「早過ぎると国民の関心が新天皇へと移り、“今上天皇との『二重権威』が生じる。在位中の天皇陛下の威厳が損なわれる”と自民党内の保守系議員らが反発」(自民党関係者)して頓挫した。
次に出た「2018年年末」「2019年年明け」案のいずれも同様の理由でボツとなった。
“いつならいいのか?”と政府が苦慮するなかで記念式典の日取りが決まり、そのタイミングに合わせたというわけだ。だが、それでも反発の声は消えない。宮内庁関係者が言う。
「そもそも改元は天皇陛下の崩御後に行なわれてきたもので、2月でも早いとの意見が庁内では根強い。当初の『2018年8月案』は、政府がカレンダー業界などへ配慮したものだが、改元を民間の都合に合わせるという考え方自体がおかしい」