手巻き寿司にカツカレー、抹茶チーズケーキ。今、米ロサンゼルスのエンゼル・スタジアムは、日本人の大好物が大谷翔平(23才)にちなんだメニューとして売られている。
今シーズンからメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスの一員となった大谷は、すっかりチームの顔だ。球場には日に日に日本人の姿が増え、大勢の観客が大谷の勇姿を一目見るためにはるばる足を運んでいる。今や大谷が登場するだけで、観客たちは総立ちになって声援を送るのが定番になっている。グッズの売り上げも驚異的なレベルで、大谷の背番号17が入ったTシャツは人気ナンバーワンだ。
「“オータニサン効果”で昨年より観客は増えています。投手として勝利し、打者としてホームランを打つアンビリーバブルな活躍でロサンゼルスだけでなく全米が熱狂しています」(地元スポーツ紙記者)
1994年生まれ、23才の「二刀流」が全米を席捲している。
オープン戦では絶不調。マイナー降格危機すら報じられたが、開幕すると、戦前の心配はどこ吹く風。投げては2試合連続勝利、打っては3試合連続ホームランをかっ飛ばし、目の肥えた本場ファンの度肝を抜いた。
「開幕前には大谷選手に懐疑的だった現地のエンゼルスファンも、連日の活躍ぶりを見て『グレート!』と実力を認めはじめた。4月22日には、打線の要である“4番打者”も務めました。
メジャーは遠征試合に伴う移動距離が長く、登板しない時もチームに帯同しなければならないため、日本のプロ野球に比べて肉体的疲労は計り知れないほど大きい。そんな中で“二刀流”をこなすのは常人離れしている。だからこそ、アメリカ国民も大谷選手を“野球の神様、ベーブ・ルースの再来”だと熱視線を送っているのです」(スポーツ紙記者)
とりわけ印象的なのは、その表情の豊かさだ。大谷は常にはじけるような“笑顔”で野球を楽しんでいる。
「ホームランを打った後でハイタッチをおねだりしたり、チームメートにもみくちゃにされて子供のように喜ぶ姿に、『なんてキュートなんだ!』と全米がコロリ。これまでにない、新しいタイプの日本人スターが誕生しました」(同前)
◆今でも15才の野球少年のまま
大谷は1994年、岩手県に生まれた。地元の花巻東高校に入学した15才の頃から8年以上にわたって彼を取材してきたスポーツライターの佐々木亨氏が言う。
「メジャーリーガーになった今でも、大谷選手の考え方や野球に取り組む姿勢は初めて会った15才の頃から変わっていない。純粋に野球が大好きで仕方ない、まっすぐで素直な少年のままです」
大谷の「まっすぐで素直な心」を育んだのは、社会人野球で活躍した父と、バドミントンで国体出場した母だ。