スポーツ

大谷翔平に立ちはだかるヤンキース「傷ついたプライド」

今度の敵は手強い(時事通信フォト)

 いよいよエンゼルスの大谷翔平が名門ヤンキースとの一戦を迎える。今回は日本時間の29日に先発が予定される田中将大との初対決となる。ヤンキースは大谷を花巻東時代から最大級に評価していた球団の一つだが、争奪戦であっさり敗れた。これまで二千試合を現地で取材したスポーツジャーナリストの古内義明氏が、「大谷VSヤンキース」の因縁、そしてマー君との初対決を紹介する。

 * * *
 ヤンキース・ファンは大谷が憎いかもしれない。ポスティング制度によるメジャー移籍で、大谷にはメジャー30球団から好きな球団を選ぶ権利があった。それでも、ヤンキースは大谷に選ばれなかった。

 野球選手なら誰しもが憧れ、ピンストライプのユニホームに一度は袖を通したいと思っているのがヤンキースという球団だ。メジャー1年目のイチローがオールスターゲームに選出された時、憧れだったヤンキースのバーニー・ウィリアムズとユニホームを交換して、たいそう喜んでその場でユニホームを着た。

 しかし、である。大谷が選んだのは、エンゼルスだった。選ばれなったヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、「(大谷を獲得するために)2012年からスカウト活動をはじめ、チームを整えてきた。ニューヨークが東海岸の大都市であることは変えられない。(大谷には)全てをアピールしたが、合わない選手には合わない」と、吐き捨てるような敗戦の弁だった。4度の世界一に導き、5年総額28億3500万円のGM最高年俸男のプライドはズタズタに引き裂かれたに違いない。

 これを受けて、ニューヨーク・メディアは大谷を格好の餌食にした。NYポスト紙は「No-htani !大谷翔平、ヤンキースを断る!」、NYタイムズ紙は、「大谷翔平、ヤンキースを拒否」、極めつけは、NYデイリーニュース紙の「なんて臆病者だ!」という見出しを並べた。大本命と目されていたヤンキースが面接にもよばれない書類審査で落選したことは、メディアとファンを敵に回すのに十分な条件となった。

 中規模都市、温暖な気候、日本人選手がいない球団、二刀流の起用法などなど、敗因を挙げればキリがない。ましてや、メジャーの25歳ルールの前に、ヤンキースは圧倒的な資金力を背景とした得意のマネーゲームに持ち込めなかった。

関連記事

トピックス

北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン