“長い人生”を想定する以上、まとまった出費はできる限り避けたい。なかでも注意したいのが「相続税」だ。2015年の税制改正で基礎控除が大幅に削られ、一般家庭も課税の対象になった。正しかったはずの資産防衛策が、「間違った対策」に変わっていることも間々ある。
【Q】タワマン節税は、もう相続対策にならない?
政府は相続税の“節税対策潰し”に力を注いでいる。いわゆる「タワマン節税」は、その標的だ。
タワーマンションは高層階と低層階で販売価格に大きな差がある。にもかかわらず固定資産税評価額では差がなかったため高層階を購入して、相続税評価額を抑える節税法が流行した。
だが、税制改正で高層階ほど固定資産税評価額が高くなるように変わった。元国税調査官で『やってはいけない老後対策』の著書がある大村大次郎氏が解説する。
「完全に節税効果がなくなったわけではありませんが、タワマンの評価額は時価という原則があるため、相続税対策のための資産と判断されると高額な課税が行なわれる危険性がある」