インバウンドの外国人観光客は年々増え続けており、今年のゴールデンウイークも各地に多数の外国人観光客が押し寄せているが、中でもひときわ外国人観光客が多いのが大阪・ミナミの一大繁華街として知られる心斎橋筋商店街である。変わりゆく心斎橋の現状をファッションジャーナリストの南充浩氏がレポートする。
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いま、一説には東京よりも大阪のほうが外国人観光客が多いとも言われている。大阪市の心斎橋筋商店街も、平日の日中を歩けば、日本人よりも外国人観光客のほうが多いほどだ。
2015年末に一旦、中国人の「爆買い」ブームが終了した際には少し外国人観光客が減るかと思ったが、まったく減らず、逆に増え続けている印象があり、今に至る。
ファッションブランド品の爆買いはピークを過ぎた感じがあるが、いまだに人気が衰えないのはコスメやサプリなどのいわゆる「ドラッグストア」で扱われている商品群だ。それを裏付けるかのように、最近、心斎橋筋商店街では有名ファッションブランド店の閉店が相次ぎいずれもドラッグストアに変わっている。
まず、異変があったのは昨年夏ごろ。2014年にオープンした「ジャーナルスタンダード」が、2017年夏ごろに突然閉鎖された。通常、店舗が閉鎖になる場合は売り上げ不振によることがほとんどだが、販売関係者によると、ジャーナルスタンダード心斎橋店の売上高は決して悪くなかったとのことなので、まさに謎だった。その後、2018年2月末にドラッグストア「ピュマージ」がオープンした。
次に驚いたのが、「ユニクロ心斎橋筋店」の北隣りにあった「ZARA」の閉店である。2017年末に閉店してしまったが、当初の発表では、もともと同じ商店街の南方にもZARAがあったので、そこへの集約だということだったが、この閉店した店舗は通常の店舗ではなく、旗艦店と位置付けられていた。旗艦店を閉店して一般店舗に集約するというのはちょっと異例のことと言わねばならない。
その後、2018年2月末にZARA跡地には、ドラッグストアの「ココカラファイン」がオープンした。
業界関係者はこの2店舗が撤退した理由について、「家賃を相当値上げされたのではないか」と指摘するが、ドラッグストアはそんな高額化した家賃でも軽々と払えるほどの売れ行きがあるという。