永田町や霞が関では、「男性優位社会」が罷り通る。財務事務次官のセクハラ騒動も氷山の一角だろう。一方で、女性政治家の失言やスキャンダルが俎上にのせられることも珍しくない。女性だからという理由で重宝されている議員は多い、と文筆家・古谷経衡氏は考える。女性を「弱者」とするだけでは何も問題は解決しない。ではどうすればいいか。現役女性閣僚の野田聖子総務大臣に問う。
古谷:どうしても聞きたいことがあります。大臣は小泉政権下の2005年に郵政民営化に反対して自民党を離党した。選挙に当選したものの刺客を送られた。2015年の自民党総裁選でも、安倍首相の再選が確実視されるなか出馬表明をした。
野田:でも一部の権力者が総裁選を行わないと勝手に決めてしまった。私を支持してくれた20人の推薦人が切り崩されて、断念せざるをえなかったわけですが。
古谷:でも、出たところで結果は……。
野田:もう、火を見るより明らかですよ。
古谷:そこなんです。私には、大臣があえて困苦の道を選んでいるように見える。普通は勝ち目のある戦しかしない。なぜ厳しい道を選び続けるんですか。