東大卒が当たり前の霞が関官僚でも「エリートの中のエリート」といわれる財務官僚はさすがに多士済々で型破りな人材には事欠かない。
「おっぱい触っていい?」の福田淳一・前事務次官が省内の“セクハラ横綱”なら、国会の証人喚問で野党の追及に50回も「刑事訴追の恐れがありますので」と証言を拒否する厚顔ぶりを発揮した佐川宣寿・前国税庁長官は中堅官僚時代から“パワハラ大魔王”の1人として知られていた。
同省では、若手官僚たちが睨まれたら恐い上司をひそかにランキングした“パワハラ番付”を作って後輩に申し送る伝統がある。名づけて「恐竜番付」と言われる。
部下からすると、同じパワハラであっても、ポストが上で権限が大きい上司からやられるほどダメージは大きい。
福田氏、佐川氏の両巨頭が引責辞任したといっても、ホッと安心するわけにはいかない。最新の番付では、もっと“怖ろしい恐竜”が出世するとみられているからだ。
名実ともに東西の横綱級にランキングされているのが、“次の次の次官”と言われる可部哲生・総括審議官と佐川氏の後任として国税庁長官への就任が有力視されている藤井健志・国税庁次長だ。いずれも昭和60年入省の同期である。
藤井氏はすでに前回(2013年)の番付で、東の横綱に君臨。それから5年もトップを維持し続ける“絶対王者”だという。
そんな彼の異名は、「インスタントラーメンを待てない男」。主計局次長時代のエピソードから来ている。