数々の健康法がメディアに取り上げられ、関連本がベストセラーになっているが、どれをやってみるといいのか、迷ってしまう。そうしたなかで、新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は、こう注意を促す。
「根拠が曖昧であったり、効果が誇大に謳われている健康法が浸透している場合があります。健康法の根拠となるメカニズムを理解した上で、健康を害さずに正しく効果が得られるよう実践することが大切です」
そこで今回、巷で浸透している健康法は本当に効果があるのか、医師の協力のもとで、★印(最高は★5つ)で格付けした。
【かかと落とし(★★★★★)】
国民病対策として注目を集めているのが「かかと落とし運動」だ。
背筋を伸ばしてつま先立ちになり、両足のかかとを1日30回上げ下げすることで、骨粗しょう症、糖尿病などの予防・改善、動脈硬化・高血圧対策の効果が期待できるという。NHKの情報番組などで取り上げられ、話題となった。岡田医師の解説。
「かかと落としは欧米では『ヒールリフト、ヒールドロップ』と呼ばれる運動に相当し、2010年頃から医学論文で骨粗しょう症の予防効果が認められています。縄跳びなど、同じ効果が確認されている他の運動に比べてケガなどのリスクが少ないので高評価としました」
糖尿病などへの効果が謳われるのは、「骨ホルモン」と呼ばれるオステオカルシンの分泌を促すためだ。
「骨ホルモンの分泌や血圧改善については検証が十分とは言い難く、今後の研究が待たれます」(同前)
ただし、腰や背骨にケガや持病がある人は念のため避けたほうがよいという。