「国会緊迫」といわれるなか、大臣14人が大型連休に外遊へ出た。
「通常、大臣の外遊機会は5月の連休と国会閉会後の8月の2回あるが、安倍政権がいつまで持つかわからないから、この連休に外遊日程を詰め込めるだけ詰め込んだ」(経済官庁幹部)
14人の訪問国はのべ30か国ほどになる。ハイシーズンでチケットが高かろうと、税金だから懐は痛まない。
国民の目が届きにくい外遊は様々な政界工作の舞台にもなる。2017年7月には安倍晋三・首相と岸田文雄・外相(当時)がベルギーのブリュッセルで会談し、「政権禅譲」の密約が交わされたとの情報が取り沙汰された。
今回は、野田聖子・総務相ら“反安倍派”が、解散・総選挙をにらんでか、国内に留まる一方、機上の人となった大臣の外遊先からも安倍3選の支持・不支持を巡る思惑が垣間見える。
まず安倍外交の“後継者”として野心満々なのが河野太郎・外相だ。
安倍首相の中東歴訪の前にヨルダンに乗り込んで約16億円の援助を決め、首相に手土産を持たせた。「大臣は空振り続きの安倍外交に取って代わるんだと気負っている」(外務官僚)との声があがる。