数々の健康法がメディアに取り上げられ、関連本がベストセラーになっているが、どれをやってみるといいのか、迷ってしまう。新潟大学名誉教授の岡田正彦医師は、こう注意を促す。
「根拠が曖昧であったり、効果が誇大に謳われている健康法が浸透している場合があります。健康法の根拠となるメカニズムを理解した上で、健康を害さずに正しく効果が得られるよう実践することが大切です」
そこで今回、巷で浸透している健康法は本当に効果があるのか、医師のアドバイスをもとに★印(最高は★5つ)で格付けした。
【ふくらはぎを揉む(☆なし)】
「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎを揉むと、全身の血流を改善し健康になるという指南本も数多くある。岡田医師はこう指摘する。
「ふくらはぎにある静脈には血栓ができやすく、揉むことで血管壁についた血栓が剥がれてしまう恐れがある。血栓が体内を移動すれば、肺の血管で詰まり、ときに命にかかわるエコノミークラス症候群のリスクがあると知っておいたほうがいい」
血栓ができるのを予防しながら血流を改善できるのは、地道なウォーキング、ジョギングなどの「筋肉運動」だという。
「揉む行為は自然の運動ではかからない圧力をかけるので、筋肉運動にはないリスクがあるのです」(同前)