最近、車内広告や新聞の折り込みチラシで見かけることが多いビル型納骨堂。中でも、お参りする際に遺骨が自動で運ばれてくる機械式納骨堂は、都心を中心にブームとなっている。ノンフィクションライターの井上理津子氏が、そんな納骨堂の内奥をレポートする。
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JR山手線目黒駅から、しゃれた外観のマンションが建ち並ぶ坂道を3分ほど上がった高台に、シルバーグレーのスマートな建物がある。1月にオープンした「目黒御廟」、自動搬送式の納骨堂だ。館内に入れば、ホテルのようなフロントがあり、女性スタッフが迎えてくれる。
パネル装置で参拝室を選んでICCカードをかざし、その足で参拝室に行く。すると、保管庫から「厨子(遺骨収納箱)」が自動搬送され、花と香炉を備えた墓石にセットされ、お参りができる。そんなハイテク技術を駆使した仕組みは既存の自動搬送式の納骨堂と同じだが、ここ目黒御廟には抜きん出た特徴がある。
「特に都心部では広さを確保しづらいため、他社の自動搬送式の納骨堂は高層ですが、当館の敷地面積は都内最大の2047平方メートル、3階建て。贅沢な造りです。お墓も都内最大級の9500基を誇っています」と、販売を担当する株式会社目黒御廟販売所長の永田一芳さんは胸を張る。
参拝室は38箇所を数える。販売価格は、天井高や調度の違いにより、79万円、106万円、130万円の3種類(*)で、いずれも年間護持会費(管理料)が1万5000円。すでに350基が販売済みだ。
(*オープニング価格。6月11日からは、それぞれ85万円、108万円、136万円になる)