5月8日の阪神戦で、5回を投げて5安打5四死球7失点と大炎上した巨人・山口俊(30)。5回表に阪神・糸井嘉男(36)がフェンス直撃のツーベースを放った場面で、記者の電話が鳴った。電話の主は400勝投手・金田正一氏だった。
「ワシに恥をかかせよって! こいつ(山口)は本当に腹立つヤツだね。ちょっと褒めたらこれだ。びっくりしたよ。自分がコメントしたことで、今夜ほど良心がとがめたことはないよ。やっぱり雑魚は雑魚じゃ……」
金田氏の怒りの背景にあるのは、本誌『週刊ポスト』の5月7日発売号(5月18日号)に自身が寄せたコメントだ。4月25日の中日戦で9回を1失点で完投した山口の投球を見て、金田氏は手放しで “絶賛”していたのである。そのコメントは、次のようなものだった。
「山口は巨人の救世主ですよ。ここ何十年も野球中継を見ていて、ピッチングに引き込まれたのは初めてだ。2回に平田(良介、30)から一発を浴びた後、腕の振り方が激変したんじゃ。肩と腕があれだけ柔らかく使えて、力の抜き方を覚えれば相手は打てやしない。あの投げ方こそ金田投法。この後バカな生活をしなければ、20勝も夢ではない。そうなればエースじゃよ」(『週刊ポスト』、5月18日号より)
自身の投球フォームに重ねて「巨人の救世主」とまで褒めちぎった山口の無残なKO劇に、金田氏の怒りは収まらない。
「あんなコメントをしてしまって、恥ずかしくなるよ。このあいだの目をみはるようなピッチングはどっかにいっちゃったな。球を置きにいっている。困ったヤツだ。これじゃワシの目が節穴みたいじゃないか!