中国最高の名門、北京大学の林建華学長が、とんだ恥をかいた。習近平国家主席が来賓として出席した開学120周年記念式典で、林学長は中学生でも分かる有名な四字熟語の発音を間違えて出席者の失笑を買い、翌日、大学のHPに謝罪文を掲載したのだ。
「北京大学の学長ともあろうものが、あまりにも程度が低くてがっかり」という声も出る一方で、率直に誤りを認め、謝罪する潔さを評価する声も出ている。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が報じた。
林学長が発音を間違えた四字熟語は「鴻鵠(こうこく)の志」で、中国語では「鴻鵠之志」と書く。
中国の秦王朝(紀元前221年-紀元前206年)の時代、のちに秦王朝の滅亡のきっかけとなる反乱を起こす陳勝が日雇い労働をしていた際、仲間に「互いに金持ちになっても忘れずにいよう」と言ったところ、それを聞いた雇い主が「日雇いの分際で何を言っているんだ」とあざ笑った。
陳勝は「燕雀(えんじゃく)いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」と語り、スズメやツバメのような小さい鳥は、鴻鵠(白鳥の古い呼び方)のような大きな志を理解できないだろうと嘆いたという。
その「鴻鵠之志」は中国語では「鴻鵠(ホンフウ)之志」と発音すべきところだが、林学長は「鴻鵠(ホンハオ)之志」と「鵠」の字の本来の発音である「フウ」を「ハオ」と読み間違えてしまったのだ。