近ごろ「おじさん」のコンテンツ化が激しい。かつては、くすんだ色のスーツを着て、無表情で黙って通勤電車に揺られている、といった程度のイメージで覆われていた「おじさん」に、様々な新種が確認されるようになった。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、増え続ける新種の「おじさん」と、カテゴライズがもたらす効果について考えた。
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ネットを見てるとやたらと人間に対するカテゴライズが横行していて、今後どんな新種が出てくるか楽しみで仕方がない。基本的には痛い言動をする人々を紹介し、それに名前をつけ、「いるいる!」と思わせるものだ。
最近話題になったのが「エアポート投稿おじさん」。空港の様子をSNSに投稿するおじさんがウザい、というものだ。確かに「オレ様は世界を股にかけるビジネスマンだぜ」「オレ様は貴様ら貧乏人とは違って今からバカンスだぜ」といったアピールをされている感はある。そしてこいつらは航空会社のラウンジでシャンパン飲んで悦に入っているんだわ。
キリンビバレッジ「午後の紅茶」の「#午後ティー女子」というネットPR企画が「顧客を揶揄してる」と炎上したが、これもその類。同ブランドのユーザーを「ともだち依存系女子」など4つに分類し外見的特徴をイラストで描いたうえで、「目に入ったものすべてにとりあえず『かわいい』」などとその特徴を書く。だが、「仕切りたがり空回り女子」の特徴として紹介された「何かと頭の上にのせたがる」はよく分からない。まぁ、バリやアフリカやインドでは頭の上に物をのせる人はよく見かけるが。