連続ドラマの定番のひとつになっている一話完結ものに新潮流が登場している。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその背景について解説する。
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毎週月曜に放送されている『コンフィデンスマンJP』『ヘッドハンター』の2作が、ドラマ好きの視聴者や識者たちから、1桁台の視聴率をはるかに上回る高評価を集めています。
前者は言わずと知れたフジテレビの看板枠・月9(21時~)であるのに対して、後者は今春にテレビ東京が新設した放送枠『ドラマBiz』(22時~)の作品。新旧の違いがある反面、「一話完結モノの新たな形を見せよう」という挑戦的なスタンスが共通しているのです。
一話完結モノと言えば、刑事・医療ドラマの定番スタイル。今春も『特捜9』、『警視庁・捜査一課長』『未解決の女 警視庁文書捜査官』(すべてテレビ朝日系)、『ブラックペアン』(TBS系)が放送されています。また、職業こそ異なりますが、『執事 西園寺の名推理』(テレビ東京系)、『正義のセ』(日本テレビ系)も事件解決という面で、同じ系譜の一話完結モノと言えるでしょう。
これらの作品には、「事件や病気が発生」し、「犯人候補や治療法が浮上する」ものの、「誤算やトラブルなどで難航」するが、「主人公の活躍で解決する」という起承転結のような型があります。
おおよその時間軸も共通していることもあり、良い意味での「安心」と悪い意味での「マンネリ」の両面を感じさせますが、『コンフィデンスマンJP』と『ヘッドハンター』には、起承転結や時間軸のような型がありません。毎回異なる展開で、画一的に描かれがちな一話完結モノの固定概念を破ろうとしているのです。
◆結末を予想させない二転三転の物語