ライフ

中高年、スマホ頼りが原因の「デジタル認知症」にならぬ方法

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 スマートフォンが普及し、疑問があったらすぐに調べられる環境が手軽に利用できるようになった。実に便利なものだが、それゆえの弊害も生まれつつある。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、「デジタル認知症」とその予防について解説する。

 * * *
 若い世代でネット依存症が心配される一方、中高年も注意すべきことがある。「デジタル認知症」だ。スマホを使えば何でも調べられる。わからないことがあればググればいい。ものを記憶しておく必要もないし、記憶したものをとりだす必要もない。その日の予定や、知人の電話番号、漢字など、きちんと記憶していなくても、スマホさえあれば支障はない。

 しかし、こんな生活を続けていると、記憶の中枢である海馬の働きが低下して、40代からもの忘れが目立つようになってしまう。

 ドイツの脳科学者マンフレッド・シュピッツァーは、これを「デジタル認知症」と呼んだ。デジタル認知症は本物の認知症ではないが、放っておくと本物の若年性認知症になる人が14%いると報告している。

 カナダのオンタリオ大学が660人を対象に、計算、語彙力、論理的思考など、さまざまなテストを行った研究では、スマホの利用時間が短い人のほうが認知能力や分析的な考え方のスコアが高いことが判明した。

 スマホやネットのやりすぎは、依存症や認知症以外にも、さまざまな健康被害を起こす可能性がある。スマホ老眼はその一つだ。いつも同じ焦点に合わせているために、眼球を動かす筋肉が機能低下を起こす。そのため、若いのに老眼と同じような症状が起きてしまうのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン