2040年にはAI(人工知能)が人間の脳を超え、我々の生活に計り知れない変化をもたらす「シンギュラリティ(技術的特異点=未来学上の概念の一つ)」が訪れると言われている。人間の仕事の大半がAIやロボットに置き換えられるその時代は、60代・70代のシニアこそが大活躍する、と大前研一氏は予測する。
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21世紀は「答えがない時代」である。すでにわかっている答えは、パソコンやスマートフォンで検索すれば、すぐに知ることができる。シンギュラリティが訪れる2040年は、その領域が飛躍的に拡大しているだろう。
予め決まった答えがない問題に対しては、答えをみんなで見つけていかねばならないが、その時に必要な能力は三つある。
一つは、答えの可能性をいくつか論理的にスッと抽出できる能力だ。同じようなことを言い換えるのではなく、全くコンセプトが異なる二つか三つの仮説を答えとして導き出せなければならない。これはIQ(知能指数)の世界である。
もう一つは、正しい答えにたどり着くために、みんなをその気にさせて議論を引っ張っていくリーダーシップだ。こちらはEQ(心の知能指数)の世界である。ここで大事なことは、議論のプロセスの中で、地位や肩書に関係なくリーダーシップを振るえるかどうか、である。「なるほど彼の言うことには一理あるな」と思ったら合意できるような寛容性をメンバーから引き出す能力それが真のリーダーシップだ。