『YOUNG MAN(Y.M.C.A)』『激しい恋』『傷だらけのローラ』などのヒット曲で歌謡史に名を刻んだ歌手の西城秀樹さんが5月16日、急性心不全のため死去した。63歳だった。1972年のデビュー以来、ヒット曲を連発した西城さんは芸能界に様々な功績を残した。芸能記者が話す。
「1960年代は、まだ『アイドル』という言葉は現在のような使われ方をしていませんでした。1970年代初頭に小柳ルミ子、天地真理、南沙織の『新三人娘』がブレイクし、『スター誕生!』(日本テレビ系)から山口百恵、森昌子、桜田淳子の『花の中3トリオ』が出現したことで、徐々に『アイドル』という言葉が世間にも普及し始めました。その中で、秀樹さんが果たした役割も大きかった」
西城さんは1973年5月発売のシングル『情熱の嵐』で初のオリコンベストテン入りし、続く『ちぎれた愛』は初のオリコン1位を獲得。郷ひろみ、野口五郎とともに『新御三家』と呼ばれ、スターダムに駆け上がった。
「当時、アイドルがオリコンベストテンに入ることは至難の業でした。たとえば、城みちるの『イルカに乗った少年』は25位、ずうとるびの『恋があぶない』は13位、太川陽介の『Lui-Lui』は38位が最高位。知名度の高かった彼らでも、オリコンベストテン入りは1度もなし。簡単には破れない難関だったのです」
意外にも西城さんのオリコン1位は『ちぎれた愛』『愛の十字架』『YOUNG MAN』の3曲のみだが、ベストテンには33曲も送り込んでいる。