芸能

寺島しのぶ 蜷川幸雄氏の言葉一つ一つが突き刺さった

『のみとり侍』が公開中の寺島しのぶ

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、出演映画『のみとり侍』(全国東宝系)が公開中の女優・寺島しのぶが、文学座在学中に出会った演出家の故・蜷川幸雄氏に言われたことについて語った言葉をお届けする。

 * * *
「四十五歳になっても、やはりまず父と母が最初に紹介されて、それで私の名前が出るんですよ。嫌だと思っても、そこは削ってくださいと言うのも面倒くさくなっちゃいました。これは一生つきまとうものなんだなということで、今は『まあいいか』と思うようにしています」

 今回のインタビューで寺島しのぶは、そう語った。彼女の役者人生の出発点について記す際、どうしても両親の名前は外すことができない。父親は七代目・尾上菊五郎、母親は富司純子という役者の一家に育ったからだ。

「自分がやるとは考えていませんでしたが、子供の頃から歌舞伎を観ていたというのは強いですね。こんな五感を刺激させる経験を早くに得られていたんだと後になって思います。

 真剣に考えるようになったのは、大学生の時です。同級生が就職活動を始めて自分も職業を考えなければとなって、役者をやっていきたい、と思いました。

 でも、歌舞伎はできませんし、親に迷惑をかけない所でやりたかったので母のいる映像の世界にもいけない。そんな時に、太地喜和子さんが父と共演して我が家にいらした時、初めてお会いしたのに、『あなた、女優をやりたいんじゃないの? だったら文学座でやればいいじゃない』と仰ってくださったんです。

 そんな劇団があるのも知らなかったんです。ただ親と違う所で勉強したくて、評価されたいと考えていましたから、出会うべくして出会ったんだと思っています」

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン