10代の若手俳優のなかで今、もっとも注目を集めるひとりが中川大志(19才)だ。『花のち晴れ~花男Next Season』(TBS系)でも活躍が目立つ彼の魅力について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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『花のち晴れ~花男Next Season』でヒロイン・江戸川音(杉咲花)の婚約者・馳天馬(中川大志)が、「『花より男子』花沢類の再来!」と言われ、注目を集めています。
主演は杉咲花さんであり、馳天馬は神楽木晴(平野紫耀)に続く“2番手の男性キャラ”という立ち位置にも関わらず、現時点での注目度は、同作の中でトップ。SNSやネットコラムを見ると、「馳天馬」「中川大志」というフレーズの多さに驚かされます。
◆『GTO』でも同じ役を演じる不思議な縁
この盛り上がりは、2005年に放送された『花より男子』で、小栗旬さんが演じる花沢類が、主演の井上真央さんや相手役の松本潤さんと同等以上の熱狂的な支持を集めたときを彷彿させます。
「花沢類と馳天馬が“クールな王子様キャラ”という点で似ている」こと以上に気になるのは、小栗旬さんと中川大志さんの一致点。俳優としての活動ステップが似ているのです。
昨今の若手俳優は、「ライダー」や「戦隊」、あるいは「朝ドラ」を経由してブレイクするのが定番。「ルックスのよさを全面に出しつつ、出演作を重ねることで演技力を磨いていく」というパターンが定着しました。
その点、小栗さんと中川さんは、「ライダー」「戦隊」「朝ドラ」を経由していません。子役として活躍し、小栗さんは『八代将軍吉宗』『秀吉』、中川さんは『江~姫たちの戦国~』『平清盛』と、それぞれ大河ドラマに出演。その後も助演として数多くの作品に出演を重ね、地道にステップアップしていきました。
「思い切った主演抜てき」「〇〇の相手役でフィーチャー」されたのではなく、朝ドラなどの大作で一気に顔と名前を売ったわけでもなく、徐々に知名度を上げていったのです。
なかでも注目したいのは、小栗さんと中川さんが同じ、吉川のぼる役にキャスティングされた『GTO』(フジテレビ系)。2人は、心優しい性格ながら、イジメられて自殺未遂してしまう高校生を熱演しました。
小栗さんが演じたのは1998年、中川さんが演じたのは2012年。現在、小栗さんは35歳、中川さんは19歳。放送時期と年齢はかなり離れていますが、それぞれのスタッフは2人にどこか似たものを感じていた様子がうかがえます。
見た目も年齢も異なる別の俳優ながら、『花男』と『GTO』で2度に渡って似た役を演じたのは、数多い俳優の中で2人の才能とステップがシンクロしているからではないでしょうか。
◆品のある佇まいと、重さを背負える強み