5月26日、日本歌謡界を代表した歌手・西城秀樹さんの告別式が行なわれる。1972年のデビュー以来、『激しい恋』『傷だらけのローラ』など数々のヒット曲を生み出した西城さんの陰には、スター歌手を育てても決して偉ぶらないマネージャーがいた。
西城さんがデビューから約11年所属した芸映プロダクションは『知恵をしぼって働け、知恵のないものは汗を出して働け、知恵も汗も出ないものは去れ』を社是としていた。西城さんのほかにも、岩崎宏美や河合奈保子、石川秀美、角川博などのスターを育てた芸映プロダクションの3代目社長である青木伸樹氏(2016年逝去)は生前、インタビューでこう話していた。
〈タレントはスタッフが作り出すものだし、私のところは、タレントもスタッフも同じだと思っているしね。当然、いいスタッフが揃っていれば、いいタレントが出て来ますよ〉(週刊大衆1983年6月6日号)
テレビを見る視聴者やコンサートに訪れるファンはタレント本人しか見えず、裏方の仕事を探る事はできない。だが、「芸能人を生かすも殺すもマネージャー次第」とマスコミ関係者が話す。
「たとえば、仕事の依頼をしても、本人の耳に入らず、マネージャーで止まる案件はいくらでもある。マネージャーの判断でブレイクチャンスを逃している場合すらあるんです。本人が『イヤだ』と言っても、マネージャーが『これはチャンスだ』と思える状況判断も必要だし、その時に本人を口説き落とす能力も求められる。単なるイエスマンでは務まりません」(以下、「」内同)