2015年ギャル流行語大賞1位に選ばれた「パリピ」とは、パーティーはもちろんクラブやフェス、合コンなどノリの良い社交的な場所が好きな人たちのこと。2000年頃に「パーティーピープル」(パーティー好きな人々)という言葉が日本に持ち込まれ、英語の発音を短く縮めた「パリピ」となって意味も変容した。そのパリピ、なかでも女子がチームで優勝を目指す選手権がAbemaTVで中継された。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、『全日本女子パリピ選手権』が、まるでコンパのエキスパートによる特別カンファレンス「夜のTED」に見えた理由を考えた。
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時代の移り変わりは常にTVから流れてきたが、それも変わりつつある。5月12日、AbemaTVで配信された『全日本女子パリピ選手権』を見て、そんなことを考えた。
この番組は、昨年夏に行われた『全日本パリピ選手権』の女子バージョン。ルールは男女共に同じ、最強のパーリーピーポー集団を決める一大イベントだ。早口で発音したときの音から彼らをパリピと呼び、パーティーにおける技術を競わせる。その実態は、コンパ技術の競技会。番組内でも“競技コンパ”なるフレーズが多用される。
ひと昔前なら、コンパとは男性が女性を楽しませるものだった。しかし、それこそアンフェア。女性が男性を楽しませるコンパがあってもいい。「この番組は男女平等だ」、なんて大それたことは言わない。ただ、女性が生き生きと躍動する番組であったことは事実だ。
11チームによるトーナメント勝ち抜き戦で行われる『全日本女子パリピ選手権』。主な出場チームは、渋谷女子パリピ軍団、六本木1000人喰い軍団、サイバーエージェント女子軍団、エイベックス女子軍団、ニューハーフ軍団、元48パリピ神4軍団、あやまんJAPAN軍団。もう字面だけで面白い。また、パリピのプロということであやまんJAPAN軍団は1回戦を免除され、シードとなる。
格闘技にも云えるが、結果よりも予想が楽しかったりする。選手データを見ながら、あーだこーだ妄想するのがマニアの喜び。それは『全日本女子パリピ選手権』も同じで。優勝チーム予想をする事前番組が結構面白い。
“パリピ”と聞けば「遊んでるだけでしょ」とイメージする人もいると思う。しかし、パリピにはパリピなりのプライドがあるのだ。そんなことが事前番組では取り上げられる。
渋谷女子パリピ軍団は、渋谷を根城とし「渋谷代表として負けられない」と宣言。対して、六本木1000人喰い軍団は「男に持ち帰られるんじゃない、女が持ち帰るんだ!」と女性の力を証明するために戦う。サイバーエージェント女子軍団とエイベックス女子軍団の対決は会社のプライドを掛けて。そして、あやまんJAPAN軍団はパリピのパイオニアとして、絶対に負けられない戦いがそこにはある。