ことは、「日大アメフト部」にとどまらず、「日本大学」という巨大組織の問題になってきた。関西学院大の選手を“悪質タックル”で負傷させた日大アメフト部の宮川泰介選手(20)が22日に開いた会見では、日大という“裾野の広い”組織のなかで、歪んだ絆が生まれていたことが明らかになった。
問題となった試合の前日に内田正人・前監督、井上奨コーチから“指示”があったことの背景について日大OBのメディア関係者が声を潜めていう。
「3人には共通点があります。井上氏は日大豊山高のアメフト部監督でもあり、同校出身の宮川選手を高2の時から指導してきた。内田前監督も同校出身。内田氏やその右腕の井上氏にとって宮川選手は“日大直系の子飼い”ともいえる存在だ。だからこそ、その上下関係はより絶対的なものになり、宮川選手を正常な判断ができない状態に追いつめたのだろう」
加えて内田氏は監督辞任を表明するも、大学の常務理事ポストについては「それは違う問題」と発言して、ポストにしがみついた。そのことも、日大という組織の異様さを際立たせた。前出の関係者が続ける。
「本人が続けられると考えていたことはもちろん、周囲もおかしい。普通の組織なら、トップや他の理事が、監督辞任と同時に退くべきと言うところです。が、日大という組織は違った」
現在は職務停止中だが、内田氏は常務理事の中でも人事権を握る実質ナンバー2とされる。その内田氏の“後ろ盾”として君臨するのが田中英壽理事長だ。