人口が減少する日本において、労働力の不足は大きな問題である。解消法としては、年齢や性別に関わりなく、誰でも働きやすい社会になることに加え、移民の受け入れ推進がよく話題になる。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本が外国人労働者を受け入れるには、どんな制度が望ましいのかについて提言する。
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日本政府が来年4月をめどに外国人労働者向けの新たな在留資格を作ると報じられた。「特定技能(仮称)」というもので、働きながら技術を学ぶ最長5年間の「技能実習」を終えて帰国した外国人が、一定の要件を満たせば、さらに日本で最長5年間就労できるようにする方針だ。人手不足が深刻な農業、介護、建設、造船などの業界を対象にするという。
だが、日本に通算10年間住んでもよいと言いながら、この新資格では永住権までは与えられない。法務省の「永住許可に関するガイドライン」には法律上の要件の一つに「原則として引き続き10年以上本邦に在留していること」という項目があるが、技能実習と今回の新資格で通算10年間日本に在留しても、「引き続き」ではなく、いったん帰国するので、直ちに永住権取得の要件を満たすことはできないとされる。なぜそのような理屈をこね回した役人的で中途半端な資格を新設するのか、その理由がそもそもわからない。
では、どうすればよいのか? 私が『新・大前研一レポート』(講談社)の「日本を変える法案集」の「国籍法」で25年も前に主張しているように、通算10年間も日本で働き、永住を希望する外国人には、2年間かけて技能だけでなく日本語や日本の文化、慣習、法律、社会常識など「日本人」としての教育を義務付け、それを修了した人には永住権(アメリカのグリーンカードに相当)を与えて移民を受け入れていくべきだと思う。