「3つの山口組」問題に新たな動きだ。六代目山口組から分裂した神戸山口組の中核団体である山健組で代替わりが執り行なわれ、中田浩司五代目組長が誕生した。
トップの交代はほぼ例外なく調整に難航し、盃を拒否する一派が出てしまう。そのため六代目山口組側は盛んに情報攪乱を行ない、「山健組は大量の離脱者が出て、櫛の歯が欠けたようになる」と騒ぎ立てた。たしかに5月16日の継承盃儀式では、執行部からも数名の欠席者が出たが、山健組にとっては想定内の事態だったろう。
新体制になった山健組では、会費の大幅減額情報が関係者の間で駆け巡っている。
「会費は毎月、組員それぞれが納めるものだが、シノギ(経済活動)の厳しさが背景にあって減額するという話。末端の組員においては事実上の“会費廃止”になるようだ」(神戸山口組系幹部)
暴力団にとって、会費は最も触れられたくない組織の深奥だ。当事者は事務所の維持管理に必要な経費と主張するが、警察は組織を使った集金システムを“上納金”と呼ぶ。実際、こうして吸い上げた金によってトップは経済活動をする必要がなく、「子分をシノギにしている」と揶揄される親分は多数いる。
2015年8月、山健組を始めとした有力組織が六代目山口組から離脱した理由のひとつは、莫大な金額の吸い上げと、その不透明な使い道にあった。結成当初、神戸山口組は六代目時代に比べ、会費の大幅な減額を打ち出していた。