2017年は最弱といわれた国鉄時代を含めても球団記録となる「96敗」という歴史的大敗を喫した東京ヤクルトスワローズ。そんなどん底状態の立て直しを託されたのが、宮本慎也ヘッドコーチと石井琢朗打撃コーチの両氏である。ともに1990年代を代表する遊撃手として知られる名手だ。同い年でもある彼らは、どのように現状を把握し、チームを再建しようとしているのか。対談は5連敗を喫し、借金10となった翌日の5月25日に実施。2人の記念撮影から始まった。
──笑顔でお願いします。
宮本:こんな時に笑顔……しんどいなあ。取材のタイミングが悪いよ(苦笑)。
石井:区切りの借金10か……今日は暗い話になっちゃうんじゃないかな(苦笑)。
──気を取り直して、まずはお2人の関係性から聞かせてください。同い年のお互いの呼び方などは?
宮本:僕は「琢朗」と。
石井:僕も現役時代は「慎也」でした。ただ今は上司なので「ヘッド」です(笑い)。でも現役時代、特に交流はなかったんですよね。
宮本:うん、グラウンドで少し喋る程度。ただ、もちろん意識はしていましたよ。琢朗のほうが先にプロで活躍していたので、負けたくない気持ちは強かった。