その前にも映画『お墓がない!』『みんなのいえ』『THE有頂天ホテル』などヒット作に出演し、その演技も評価されていた彼女。ガツガツした人では決してない分、どんなオファーにも自然体で応えられる稀有な女子アナと言えよう。
局アナ時代のイメージを払拭しようと頑張る者もいれば、その逆で、傍から見ればものすごく恵まれているのに「自分には違うかも」と手放す者もいるなか、フリーになって4年近くになろうとしているのに、いまださまよっている感があるのがTBS出身の田中みな実だ。
私が知る限り、彼女はものすごくまじめ。アナウンス技術の高さや、局内で仕事ぶりを買われていたことの証拠に、彼女がフリーになってから“ゆかりの人”としてメッセージを寄せたり、ゲストとして登場するのは女子アナの大先輩たちだ。
ラジオと兼営であるからか、TBSには他の在京民放局に比べて、ベテランの女子アナが多数在籍しているという印象があるが、だからこそ同性の後輩への厳しさも有名だ。
そうした諸先輩から認められていたことは間違いないのに、『サンデージャポン』(TBS系)でコックリ頷く度に効果音をつけられ、「みんなのみな実」と言わされたり、先輩・小林麻耶との折の悪さなどを売りにされたりした田中みな実。
“チャラ男”で売るお笑い芸人との交際と破局も、バラエティー番組や週刊誌の格好のネタとなってしまった。
相手はチャラかったが、田中みな実がチャラいという評判は皆無で、この恋愛で深く傷ついたのは彼女のほうだと言われている。
ご存じのように、男性お笑い芸人と女子アナの夫婦というのは意外にも多くて、“サンジャポ”の先輩・青木裕子はナインティナインの矢部浩之と、最近では元NHKの神田愛花とバナナマン日村勇紀、フジテレビの山崎夕貴アナとおばたのお兄さんがゴールイン。
田中みな実も、芸人と交際したこと自体は決して悪い思い出ではなかったようで、打ち合わせや本番中、大物お笑い芸人に擦り寄る場面を何度か目撃したことがある。その中の一人に、「そういうの、やめようぜ」とたしなめられていたのを目の当たりにしたことも私はある。彼女が「もしかして、私のこと、好きなんですか~?」と擦り寄った際、その芸人が呆れてこう放ったのだ。
さすがにそのときは男性スタッフもドン引きし、「さまよう田中みな実」「方向性を迷っている田中みな実」を心配していたものである。
担当した複数の番組が短命に終わる時期を経て、TOKYO MXの昼ワイド『ひるキュン!』や、古巣での『有吉ジャポン』『ジョブチューン』など、番組内でのポジションが定着しつつある番組が増えた田中みな実。
だが、筆者は、彼女が局アナ時代に3年もやっていた『みのもんたのサタデーずばッと!』でのアナウンスや在り方を高く評価していたこともあり、本当にこれでよいのかと思っているところだ。