今年で記念すべき10回目を迎えるAKB48選抜総選挙。今年は海外グループのメンバーも立候補できることになり、国内グループとあわせて計8グループ総勢339人という過去最多のメンバーが立候補する総選挙になる。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが注目するのはSKE48の須田亜香里(26)。木村さんが総選挙の見どころとともに須田の「ブス戦略」について解説する。
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今年も6月16日にAKB48の総選挙があり、テレビでも約2時間半の生放送が予定されています。
昨年、前人未到の3連覇を達成した指原莉乃さんが出馬を見送り、2位の渡辺麻友さんが卒業した今回の目玉は、新たにBNK48(タイ・バンコク)とTPE48(台湾・台北)が加わる“世界選抜”であり、史上最多339名の誰が勝っても「初センター」となること。AKB48としては、乃木坂46や欅坂46の勢いに押されている中、再浮上のきっかけをつかむ重要な場と見られています。
センター候補の最右翼は、昨年3位の松井珠理奈さん(SKE48)と4位の宮脇咲良さん(HKT48)ですが、昨年5位で今年も速報1位の荻野由佳さん(NGT48)らを含めた混戦模様。しかし、テレビ業界で最も注目を集めているのは、この3人ではなく昨年6位の須田亜香里さん(SKE48)なのです。
◆自ら仕掛けたアンケートで過半数が「ブス」認定
その理由は、須田さんが指原さん以来となる「ブス戦略」を徹底しているから。
今年の選挙ポスターに「Is this person BUSU?」というキャッチコピーを使ったほか、演説動画でも「私はブスか?」という問いかけに終始。さらにTwitterで、「ブスだと思う?可愛いと思う?」と尋ねるアンケートを行い、女性の62%、男性+ファンの58%が「ブス」と回答しました。
テレビ番組への個人出演も、現在AKB48グループの中でトップクラスなのは須田さん。たとえば、5月15日に放送された『有田哲平の夢なら醒めないで』(TBS系)では、「おブス女子の怒りSP!」に出演し、5人の女性タレントがそろう中で堂々のセンターを務め、「ネットの検索予測キーワードが“ブス”」「夜中にネットで整形パトロールをしている」「渋谷駅前で自分よりブスを探してストレス発散している」などのコメントで爆笑を取りました。
この1か月間、全国ネットの番組だけでも、5月10日に『秘密のケンミンSHOW!』(日本テレビ系)、5月16日に『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)、5月20日に『サンデー・ジャポン』(TBS系)、5月28日に『痛快TVスカッとジャパン』(フジテレビ系)に出演。ブストークや変顔などで、持ち味を発揮しました。
さらに地元・名古屋では、朝の情報番組『ドデスカ!』(メ~テレ)にコメンテーターとして出演。各界の文化人がそろう中、アイドルらしからぬコメント力で存在感を見せています。
また、テレビ以外でも、昨年2月に発売された著書『コンプレックス力 ~なぜ、逆境から這い上がれたのか?~』の帯に「ブスから神7!?」というコピーが書かれていました。ここでも「ブス」を突破口にしていたのです。
アイドルであるにも関わらず、かわいらしさとは真逆の「ブス」を前面に出していること。そのことでアイドルという枠を超えた存在として認識されつつあること。どちらを取っても、指原さんの躍進時を彷彿させるものがあります。
◆広い視野に基づくセルフプロデュース