《魔法の薬を30gワインに入れて嫁に飲ませたよ。パジャマを脱がせても反応なし》
《帰宅した妻に魔法を仕込んだコーヒーをサービス。20分ほどでテンション変わり、意識なくなったので服を脱がせて動画をゲット》
インターネット上のとある掲示板の書き込み。一見不可解なこの文章が示すのは、薬物を用いた「夫婦間」の性暴力の実態だ。
『レイプドラッグ、夫婦間にも』──5月21日、朝日新聞社会面にこんな見出しが躍った。記事中に登場するのは、関西在住の50代夫婦。
夫は妻にレイプドラッグ(相手の意識や抵抗力を奪って性行為に及ぶ目的で使われる睡眠薬や抗不安薬)をのませ、わいせつ行為を繰り返しただけでなく、その行為中の写真まで撮っていたという。
《夫の作ったハンバーグを食べ、あまりの苦さに吐き出した。ハンバーグを割るとタマネギや肉が青い》
記事中でこう告白した妻は、毒物を疑い警察に相談すると、食事から睡眠薬が検出された。夫の持ち物からは睡眠薬や熟睡状態の妻へのわいせつ行為の写真が見つかり、妻は別居した後、準強制わいせつ未遂容疑で夫を告訴。昨年3月に夫は起訴猶予となった。
同年11月には家裁で離婚裁判が行われ、離婚を認めるとともに、夫に330万円の慰謝料の支払いを命じる判決が出たという。最近、こうした夫婦間のレイプドラッグを使用した被害事案が多発している。手口を披露し合うインターネットサイトも多数存在しており、冒頭で紹介した掲示板もその1つだ。
女性セブンが確認した限りでも、複数の盗撮サイトで、レイプドラッグで眠らせた妻のわいせつ画像が毎日のようにアップされている。
《妻の痴態》
《熟女妻の全裸》
こんなタイトルで画像が晒され、閲覧者からコメントが1000件以上ついている現実は、悪夢という他ない。妻が夫を訴えた前述の例でも、夫はネットから知識を得て行為に及んでいた。DV被害に詳しい全国女性シェルターネット理事の近藤恵子さんの話。
「相手のすすめる飲み物を飲んだら意識が遠のいて酩酊したなど、夫婦同士でもそうした被害は数年前からありました。夫婦という関係上、どこまでが性被害なのか、悩んだ末に誰にも相談できないかたがたくさんいます。レイプドラッグ以外にも、配偶者の同意がないまま無理やり性交渉を迫る例は多いです。DV家庭の“子だくさん”も、夫婦間性暴力の結果だったりもするのです」
◆「だったらこの動画をばらまくぞ」
そんな夫婦間レイプの被害者に話を聞いた。
「あの頃の出来事は、思い出すだけで寒気がします」
うつむきながらそう語るのは、茨城県在住のA子さん(41才)だ。2011年に結婚した3才上の夫は、極度に性欲が強く、生理中でも毎晩のように求められた。